相談

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相談

コンコン♪ 授業が終わり、それぞれの生徒達が自由に行動する放課後、私はいつもの通り部室にやってきて魔術書を読んでいた時、ドアをノックする音が聞こえてきた。 『はい、開いてますよ』 ガラガラ… 私の返事を聞いて、ノックした人物はドアを開け、何とも微妙な表情で部室を眺め回した後に、私へと視線を向ける。 『黒澤、すまないんだけどさ、ちょっと相談に乗ってもらえないかな?』 そう言ってきたのは、私と同じクラスメートの牧村千恵子さん、女性ながらやや背は高く、少しボーイッシュな感じがする子です、…彼女がオカルト研究部に来て相談だなんて、珍しい事もあるものだわ。 『構わないわ、じゃあ、この椅子にでも座って』 私が部室に置いてある、幾つかのパイプ椅子を引っ張り出し、牧村千恵子さんに座るよう進める。 『ありがと』 ドスッと少し乱暴に座ると、小さく溜め息をついた。 『それで、私に相談とは?』 『ああ…実はさ、あたしが住んでる団地で、ちょっと変な事が起きてるんだ』 『と、言うと?』 『年に何回かの割合で、必ず住人が倒れるんだけど、そのまま原因不明の昏睡状態になって目覚めなくなるんだ、それに時々、奇妙な事も起きるし』 『原因不明の昏睡状態…に奇妙な事ね、それらに何らかの怪奇現象が絡んでいると、思っている訳ね?』 私の言葉に牧村さんは頷いた。 『思うも何も、現にあたしの住んでる部屋で…急に変な異臭がしたり、軋むような物音が響いたり、時にはドアが勝手に開くとか、気持ち悪い事が頻繁にあって、気味が悪いんだよ』 『なるほど…』 もし牧村さんの聞いた話が事実なら、怪奇現象の可能性は高い、異臭やラップ音、それに騒霊…それらは浮遊している悪霊が引き起こす現象としては、特に心霊知識がない人でも、小耳に挟む程度には聞いた事もあるはず。 『そんなんで、噂に聞く黒澤なら、何とか出きるんじゃないかと思って、今日は相談に来たんだ』 『分かったわ、私の手に負えるかは実際に行って見てみないと、何とも言えないけど…次の日曜日が開いてるし、その日に調べに行って構わないかしら?』 『えっ!来てくれるの?そりゃ助かるよ~、じゃあ…〇〇丁目のコンビニは分かる?』 『ええ、分かるわ』 『なら、日曜日にそのコンビニで待ち合わせて、あたしの住んでる団地まで案内するよ』 こうしてオカルト研究所に、初の依頼が舞い込んできたのであった。
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