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と、言ってもやはり疲れているのかもしれないしな…
『霧島さん、今日は魔術に関係した練習や実践は止めておくかい?』
『えっ?どうして?』
『さっき疲れたかいって聞いたら、うん、て言ってたし』
『ああ、大丈夫大丈夫♪疲れたと言っても、あのくらいでへたばったりしないよ』
パタパタと手を振りながら、霧島さんは余裕の表情だ、どうも俺が一人で疲れているらしい…
『そう、それなら安心して…』
其処で言葉を区切り、俺はタンスの上に置いてある「ポッド」を持ってきて、テーブルに置いた。
『シルバーリングの作成に、入れるってもんだよ』
俺は満面の笑みを浮かべ、霧島さんは「ひいいっ」とムンクの叫びのような顔をした。
『き…木村君、シルバーリングを作るのは、まだ早くない?』
『全然早くないよ、ほら、前に霧島さんが買って預かっていたクレイシルバー(銀粘土)も、ちゃんとある』
『ううう…;』
少し前に、霧島さんの学校で開催された創立祭に遊びに行った帰りに、中央区の街に寄り道した際、俺がシルバーリングを作る材料を買う店へ、彼女を連れて行ってあげた、その時に霧島さんはクレイシルバー(銀粘土)を買い、自分用のシルバーリングを作る気だったのだ。
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