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しかし、実際に作るとなると手を出したがらないままで、預かっていた銀粘土はそのまま埃を被り始めていた。
『さあさあ、準備するから覚悟して作りましょう!』
『ああー!木村君の鬼ー!!』
何やら人を鬼呼ばわりしているが、関係なし!いくら先に延ばしても、シルバーリングは出来上がらないのだから、ここは勢いに任せて、作成させるよう押してゆく。
俺はテーブルに次々と工具を配置し、水で湿らせた手拭いを敷いて、ドライヤーやクレイシルバーも用意してあげた、此処までされたら、引くに引けまい!
『……………』
微妙に引きつった表情から、諦めの表情に変わる霧島さん、遂に覚悟が決まったか。
『もう、こうなったら作ってみるわ!やってやるもん!』
急に顔を引き締めると、気合いを入れて、シルバーリングの作成作業を始めた。
まずは、クレイシルバーを袋から取り出して、手早くコネる…そうしないと銀粘土はネバネバした柔らかいままなのだ、かといってコネまくると、短時間で乾燥してボロボロになるので、ネバつかなくなった適度な状態で止めておく。
それから「木芯棒」に、指のサイズに合わせた場所へ、紙を巻き付けてセロテープで止めて固定する。
注意するべき点としては、クレイシルバーは最後に焼き上げて銀製の指輪となるのだが、焼くと少し縮んでしまう性質がある、よって指のサイズが15だとしたら18~19サイズで作らないと、指にはめられなくなると言う事態が起こる。
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