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『~♪』
霧島さんは完成した指輪を金ブラシで磨き、細かなスポンジヤスリで丁寧に仕上げる、最後にシルバークロスと呼ばれる布で拭くと、見事な銀の輝きを放つ指輪が出来上がる。
『お見事、初挑戦でいきなり割った俺とは大違いだね』
俺は初めて指輪を作る時に、いきなりヤスリ掛けの作業工程でパキッと指輪を割ってしまったのだ;もちろん…部屋に悲鳴が響き渡ったのは言うまでもない。
『ふーん、そうなんだ~♪』
霧島さんはよほど嬉しいのか、鼻歌混じりで指輪をひたすらシルバークロスで拭いている…俺の言葉は半ば右から左へ抜けているようだな;。
『で、後は付与魔術を施せば、護符代わりのシルバーリングの完成って訳だね』
それを言った瞬間、霧島さんはピキッと凍りついた、何故なら彼女は「付与」魔術が使えないから。
半ば泣きそうな顔で、俺をじーっ…と見てくる霧島さん。
『いや、そんなに見つめなくても良いよ;…俺がやるからさ』
『お…お願いしまーす!』
懇願する表情をした霧島さんに、指輪を手渡された俺は、棚から魔術剣を取り出して、紐で場を作り「魔術具化」をシルバーリングに施してあげた、やはり霧島さんにも、この程度の付与魔術は、教えてあげるべきかな…出来るか分からないけど。
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