初仕事…

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初仕事…

『黒澤!こっちこっち!』 コンビニ前の駐車場に座り込んで、ジュースを飲みながら私を待っていたらしい、牧村千恵子さんは私を見つけると立ち上がって、手を振っている。 『おはよう牧村さん、ではさっそく、団地へ案内して頂けますか』 『ああ、じゃあ行こうか…って、後ろの子は誰?』 「はて?」と首を傾けながら、牧村さんは私の後ろから付いてきた綾崎さんへ、視線を向けている。 『オカルト研究部員の綾崎加奈さんよ、一年生の子です』 『そっか、黒澤と同じ部員さんなんだ、あたしは牧村千恵子っての、よろしく』 ニカッと笑って、綾崎さんに挨拶をする。 それに応じて、綾崎さんも明るい笑顔で挨拶を返す。 『はい、今日は部長と一緒に、団地で起きている怪奇現象を調べるお手伝いをさせてもらいます、綾崎加奈です、よろしくお願いします』 『うん、頼むよ!』 『はい、頑張ります』 こうして互いの紹介をすませた私達は、問題の団地へと向かう事にした。 待ち合わせたコンビニから、徒歩で約30分くらいの距離だと言う… …………………………………………………… 私は牧村さんの住む団地に向かう途中で、通りかかった付近に、何か問題となる点がないか、見回しながら歩いていた… もし団地が霊道や鬼門の流れの直線上にあったりすれば…例えば墓場などあるなら、とうぜん霊の通り道に立つ団地に、様々な霊が現れる事になる。
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