118人が本棚に入れています
本棚に追加
牧村さんが部室から退出して、20分くらい経ってから、再びドアが開かれた。
ガラガラ…
『こんにちは部長~!』
そう言って元気に挨拶をしてきたのは、現在、私の他に唯一のオカルト研究部員の綾崎加奈さん、入部してから起きた、とある事件にもめげずに魔術を学ぶ事に熱心な、私の弟子でもある女の子。
『こんにちは綾崎さん、待っていたわ』
そう言って私は、綾崎さんに何冊かの魔術書を差し出して、ノートに書き写すように指示した。
『りょーかいです』
綾崎さんは素直に頷いて、私から魔術書を受け取ると、戸棚から魔術の勉強に使っているノートを出してきて、椅子に座りすぐに魔術書の内容を、書き写している。
『綾崎さん、そのまま聞いて下さいね、実は先ほど怪奇現象を解決して欲しいと初の依頼がありました』
『えっ!本当に?どんな依頼がきたんですか?』
彼女はノートから顔を上げると、驚いた表情で目を大きくしながら、頼まれた内容を知りたがった。
『実は…』
私は綾崎さんに、牧村さんからの依頼内容を説明した。
『そんな事が…一体なにが起きてるんでしょうね?』
『だから次の日曜日に、それを調べに行くのよ、綾崎さんも予定が無いなら、一緒に行きましょう?』
『はい!絶対に参加しますから!なんたって初仕事だし』
綾崎さんは、少し興奮気味に、そう言ってきた。
最初のコメントを投稿しよう!