鍛錬と作成…

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鍛錬と作成…

『やっ!』 霧島さんが掛け声と共に、構えた位置から、握った左手を鋭く突き出す。 『そうそう、そんな感じ』 それを眺めながら、俺は霧島さんの突き…ジャブを見て、ちゃんと形になっていると答える。 『しっかし、まさか霧島さんに、格闘技なんて教える事になるなんてな…』 そう、今から二週間ほど前に、霧島さんの学校でとんでもないトラブルが発生した、とある部活に所属していた部員が悪霊を呼び出したのだ、その悪霊は未熟な魔術師では制御できずに大暴れ…結果として行方不明者を数人だした程であった。 その事件で悪霊「シェイド」と戦ったのだが、霧島さんは頑張ったものの、武器の扱いに長けたシェイドへ、攻撃を一撃も当てられずに敗北してしまう。 それから数日後…魔術の実践練習を終えた霧島さんは、シェイドとの戦いで、俺は辛くも何度か攻撃を当てられたのだが、それはどうしてかと聞かれたので、以前に少し「空手」をかじった事があると答えた、ついでに自己流ではあるけどナイフ技も練習したと… それを聞いた霧島さんは、格闘技やナイフ技も教えて欲しいと頼み込んできた。 俺は最初、それを断った、何故なら空手は半端、ナイフ技は自己流と、とても人様に教えられるようなレベルの技術ではないからだ、魔術も半端なのは危険だけど、武術はことさら危険である、中途半端な格闘技で人間と戦って勝つのは、これが結構難しい…おそらく喧嘩した事がないとか、わりと運動の苦手な…自分と似たような相手くらいにしか、通用しないだろう。
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