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『ふっ!』
霧島さんは空手の歩法でもあるステップで、地面を低く飛び、あたかも滑るように前に出ながら、何度もジャブを突き出して練習している。
後々にナイフ技を使うようになった時に、最もジャブの攻撃が適したものなので、基本的に霧島さんには、先じてそればかりやらせていた。
『はぁ…はぁ…ねえ、木村君』
ちなみに家の近くには草原があり(あちこち土が露出しているけど) そこで練習している、ステップで移動し、ジャブを繰り出しながら、ぐるりと一周してきた、霧島さんは息を切らしながら、俺に声をかけてきた。
『どうしたの?』
『はぁ…なんか…私ってば…はぁ…同じ練習ばかりさせられてる…気がするんだ…けど…』
それは確かにそうだ、教え初めてから5日間ほど、構えとジャブ、ステップばかり練習させている。
『そうだ、だけど体に動き方や突き方を覚えるのが先決だからね、早く先に進んでも、それじゃあ技術として浅すぎる、只ですら半端にしか教えられないんだし』
『…わ…分かったけど…なんて言うか…』
さすがに同じパターンは飽きてきたのか…
ならば、ちょっと練習を手伝うとしよう。
俺は立ち上がって、軽く体を動かして解すと、霧島さんの正面に立った。
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