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時計の針が七時を少し過ぎた頃になって、玄関を開ける音がした、チャイムも押さずに入ってきた霧島さんの足音が部屋に近寄ってきて、ドアの前に立ち止まるとノックした。
コンコン♪
『どうぞ~』
『お邪魔しま~す』
ニコニコしながら部屋に入ってきた霧島さんは、ドアを閉めてから、俺が座っている反対側に、ペタンと座り込む、2人で小さなテーブルを挟む状態だ。
『今日の練習はどうだった?疲れたろ?』
『うん、でも、凄く面白いよ格闘技!今日は実際にジャブで木村君に攻撃したり、ステップで動き回ったりして、ほんとの格闘練習が出来て、ちょっと興奮気味かな』
パッと顔を輝かせながらそう言ってくる、格闘技を楽しいと言う辺りからして、意外と運動が好きなのかもしれない…。
『まあ、他にストレート、フック、アッパーや蹴り技とか…基本的なのは教えるよ、それしか教えられないけどさ』
より複雑な技の組み合わせなど、基本をかじった程度の俺が、霧島さんに教えられる筈もない。
『いいよ、いいね!どんどんパワーアップするよ!』
何かいつもと違う口調で語る霧島さん、本当に興奮気味なのかもしれない、ならば体技術は練習したので、霊的技術の練習を始めるとしようか…。
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