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この世には清らかな清水がそこかしこにゆっくりと、時を知らずに流れている。
数多の記憶が滅び、星が風の塵となって消えても清水は在り、流れる以外のすべを知らない。
遠い声に山々が応え、幾千もの想いを乗せ空の船は世界を股にかけすべってゆく。
天空の古城は万感を抱き、空の風、海の光、大地の安堵、そしてあらゆるものを越えて存在する清水に命を吹き込む。
与えられた命に耳を澄ませば原始の鼓動が力強く脈打つのが感ぜられる。
星の鼓動に胸を踊らせた日々は、やがて未来の希望へ繋がる。
沈黙の調べは美しく雄弁である。
時のしじまに語りかけたなら、時は時を忘れさせ、命の鼓動、存在を越えた清水、そして新たな自己が見える。
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