魔術師

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事件はそれから一ヶ月後の学校行事、まあいわゆる文化祭で起こった。 元来、こういう行事が苦手な俺は、飲食店だけ回って、校内をぶらぶらしていた―――やはりこういうのが苦手な奈々と一緒に。 そこである部屋を見つけた。 「ねえ先輩、あの『魔術の館』って気にならない?」 「なになに…『本物の魔術師バーソン・ホームズ氏をご招待してあります』…か。どうする?行ってみるか?」 「行って幻滅したらごめんね。私マジック見ると、つい推理しちゃうんだ、タネについて」 俺は思いっきり疑わしげに奈々を見た 「な…何よぉ、ホントなんだから」 「ふ~ん…。ふう。とにかく入ろうか」 「あっ、今絶対ため息ついたでしょ!?うわ~、レディに対してそんな…」 俺は中に入った 後ろから「待ってよ~」とあいつも入ってくる
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