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その姿を見る隊員達は、戦闘班にでもいるかのような錯覚を起こす。小隊長は、その意気や良しと応じる。サイスはよろけながらも攻撃を避け続ける。その時に、前線を大きく意識したからか、このままではいけないという気持ちに奮い立った。サイスは、あろうことか小隊長に攻撃をし返したのだ。この行動に部隊長からはストップが掛かった。
これは、戦闘訓練ではなく回避訓練である。目的を見間違えてはいけない。部隊長は、戦闘班のような動きを見せるサイスを咎めた。だが、サイスは反論こそせなかったが、部隊長のお咎めには納得がいかなかった。
救護班が倒れてはいけないのはわかる。光の魔力や気の力を持っていない者は、回避能力を高めなくてはいけないのもわかっている。
だが、戦ってはいけない理由がどこにあるのか。治療や処置だけが守る事とは言えない。表立って、先頭に立って戦いはしない。だが、ある程度の攻撃もできるようにしておくに越した事はない。撤退にも役に立つ。
戦う救護班があってはいけないのか。
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