421人が本棚に入れています
本棚に追加
戦いたいという表現は、いかにも戦闘班のものである。救護班と戦闘班の関係は決して悪いものではないが、救護班は特に自分達の身の置き場を意識している。前に出るべきではなく、縁の下の力持ち、それが救護班の存在意義として隊には教育されている。
決して、オユサがそれを推し進めたわけでは無い。救護班に集まる隊員の気質上、自然とそう言った教育が生まれたに過ぎない。オユサも、その教育には特に異論が無かったので口出しはしてこなかった。
だが、ここに来て面白い考えを持つ隊員が入隊した。救護班への高い志望を持っていたのだから尚更だ。そろそろ、救護班の立ち位置を見直す頃合いと考えていた所に、良いタイミングだ。
オユサはサイスの言葉に耳を傾けた。戦ってはいけない理由がわからない。回避も立派な業ではあるが、自分にとってはそれだけでは自分達が生き延びる事に不安がある。何も先立って戦いたいのではなく、防御の為の攻撃も会得したい。攻撃が最大の防御と言うのは決して嘘ではないと思っている。
最初のコメントを投稿しよう!