奮い立つ者達

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この時から、救護班も戦闘訓練志願者を集うようになった。ただし、決して好戦的な組織を目指すものではなく、あくまでも自衛や迎撃の為のものである。積極的に前線へ赴きたがる者は救護班には不要。 オユサからの命により、各部隊で志願者を募ったところ、サイスを始めとした戦う力を付けたいものが集まった。オユサの予想以上の数で、救護班全体の10分の1もの隊員が志願をした。オユサの描く改革が、思った以上に早く進むかも知れないと期待を持った。 当然、戦う救護班など断固反対と掲げる隊員もいる。従来の救護班の在り方に魅力を持ち、信念を持って救護の任務に当たる者だって数多くいる。それでも、表立った反発が起こらなかったのは、オユサの人望にあった。隊員一人一人に真摯に指導する面倒見の良さ、高い経験値からの的確な指示、何よりそう言った隊員の気持ちを汲んだ行動が常日頃から隊員達に形にして表していた。訓練には事欠かさず顔を出し、従来通りに手を抜かずに指導した。納得のいかないものもあるが、オユサの決めた事は決して血迷いではないと信じていた。 ここから、サイス率いる「戦闘救護隊員」、俗に言う「闘救」が誕生した。
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