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廃部隊には、闘救の存在は大きく知れ渡っていない。というのも、廃部隊構成員では、DOR脱退者の中でも圧倒的に戦闘班の割合が大きかったからだ。救護班は脱退をしようとも、その気質からか廃部隊へ身を投じようとする者がいなかった。故に、DOR脱退者である構成員は、救護班を単なる跳ね馬集団としてしか捉えていない。皮肉にも、その救護班を見下した態度が自らの情報不足による不利な状況を生み出してしまった。
サイスの急襲に、廃部隊は戦闘班の援護と勘違いをした。どこの班に所属していようが、構成員達は隊員達と戦闘を繰り広げる。戦闘班程の実力がなく、加えて圧倒的に女性隊員が多い。これには、構成員達も大したことがないと高をくくる。だが、跳ね馬集団としての回避力は健在であり、尚且つ負傷した隊員は自らの治療を始める。オユサの手ほどきにより、闘救隊員の多くが応急処置程度ではあるが気治を会得している。女性の戦闘班という誤った認識により油断をした構成員は、体制を崩し始める。
戦闘力の高くない救護班は、自ら攻め込んで相手を打ち倒す真似はしない。自分たちの持つ回復力、回避力を駆使して、相手を自滅に追い込む事を得意とする。戦場経験の未熟な構成員達は、まんまと救護班のペースに持って行かれた。
そして、実力のある構成員は、救護班で唯一戦闘班と渡り合える戦闘力を持つ、女帝サイスの前に打倒された。
倒れる構成員をサイスは見下ろす。
「救護班は決してお荷物部隊ではない。見解の甘さを恥じるんだね」
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