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そこへ、何者かが降ってきた。いち早くその存在に気づいていたキュラがその者を受け止める為に、柔らかい壁を着地点に張った。降ってきた者は、壁の弾力に跳ねた後にその上に横たわった。
廃部隊の根城より飛ばされたローラだった。
ローラを認知したサイスは、急いでローラに駆け寄った。
「元帥!お怪我を!」
サイスは急いでローラに治療を施す。同時にキュラも駆け寄り、サイスの気治と同時に光の魔力を施した。だが、上層部二人に掛かってもローラの傷は治りが遅かった。予想より遥かに治りの遅い傷に、二人は疑問の表情だった。ローラの受けた傷は、ルインの怨念による攻撃だった。サーセリーの魔術による強い怨念の攻撃に、魔力や気治では上手く治療ができなかった。
「私に構わず、目の前の敵を!」
ローラは、足を引きずってゆっくりと進んだ。もう一度、あの根城へ向かおうとしている。だが、その足はすぐに止まることになる。
「およしなされ」
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