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体に鞭を打つローラに、オユサが止めた。オユサは、サイスとキュラに他の隊員の指揮を託し、自身はローラに近づく。オユサに止められるという事は、これ以上の無理を禁じられているということだ。
「その傷では戻ったところで返り討ちに遭うだけでしょう。まずは、お座りくだされ」
立場は自身の方が上であれど、自身の倍以上を生き、DORを支えてきた老隊員の言葉を、立場の権力で遮ろうとはしなかった。ローラは、オユサの言葉には逆らわず、おとなしく腰を降ろした。オユサが治療をする。それがわかった故だ。
オユサの気治の力は、一般的に知られている気治の力を遥かに上回るものだった。オユサ程の力を持つ者はおらず、現在存在している気治師がオユサに域に達する事は不可能とさえまで言われている。気知師の中でも優秀なレンさえもだ。
まるで、気治の神を目の前にしている。気治師達は、口々にそう言う。
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