第弐話

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「お前ら……そんなに俺をからかって楽しいか?」 土方は腰にさしてある刀に手を置いた、抜くつもりなのだ、勿論本物である。 すると総司はそっと沖田を前に出した、沖田達は刀に布が巻かれていた、きっと誠の母が巻いたのだろう。 「へっ?」 「アンタ沖田総司でしょ?アンタの鬼副長止めてよ」 「私が止めるより誠さんが止めた方が早いですよ」 「ふざけんな!」 仲かがいいのか悪いのかよくわかりません。 「ちょっと!!アンタ達!遊んでないで手伝いなさいよ!!」 クラス委員の伊吹 咲が勢いよく入ってきては荒々しく声を上げた。 「弟君アンタ顔はいいんだから接客しな!たまには人のために働けば!!」 「はっ?なんで俺が!クラスも学年も違うだろうが!!」 「今は猫でもカエルでも蛇でも手をかりたいの!」 「蛇手ないだろ……」 「いいからこれ着なさい!!」 無理矢理渡されたのは新撰組のコスプレであった。総司は嫌そうな顔をしつつも誠の喜ぶ顔を思い浮かべてにんまりした。 「うん、アンタ達はちょうど着流しだし腰に変なのさしてるから武士に見えるしそのまま行こう」 「武士………」 「やった!」 「馬鹿左之」 結局、無理矢理伊吹の行動により、関係のない総司に本当に無関係の土方、沖田、永倉、藤堂、原田も手伝う事になってしまった。 「……もうなんなの?」 誠はいろんな事がありすぎて混乱していた、今ですら土方達は幻なのではないかと思ったり、これは夢なのだと思っていた。
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