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初めの出会い
今考えてみたら、珍しい事ではないのかもしれない。
私の父と母は――私が七歳の時に離婚している。
愛は醒めやすいというが、本当なのだろう。
知人に聞く限り、新婚できたてはかなりのラブラブっぷりだったらしい。
故に離婚したのが不思議でたまらないらしいが。
離婚の理由はこれまたありがちで。
父の浮気が事の発端だった。
それに嫉妬した母がこれまた仕返しという名の浮気をし。
それで離婚、まぁありがちと言えばありがちだった。
しかし当時七歳だった私には訳が分からず、泣いて家を飛び出した。
泣きじゃくりながら川沿いを歩いていて、ふと思った。
もしかしたら、父も母も私が要らないのでは――――?
お互いが不必要だったから別れた両親が、二人だから生まれた私を必要とするはずがない。
なら、私は要らない―――
正直いま思うと馬鹿らしいが、七歳の私の思考はそれで満たされた。
泣きながら川沿いに、川の方に体を向けて立つ。
そして幼稚な私は川に身を投げた。
その瞬間―――
眩い光が目を閉じた筈の私に見えた。
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