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「……紬(つむぎ)。あんた、何で化学を専攻科目にしてないのよっ!?」
しかめっ面で、まくしたてる私の親友。
白石 琴子(しらいし ことこ)。
「ごめん、ごめんね!琴ちゃんっ。とっ……とにかく、恥ずかしいから……その……仁王立ちで見下ろすのやめて?」
ひたすら、親友をなだめる私は。
香坂 紬(こうさか つむぎ)。
さて、琴ちゃんが何を怒っているのかと言いますと。
私たちは3年生に進級したから、それぞれの教科で、必須科目の選択をしなければならなかったんだけど。
そういう時は、仲のいい友達同士で相談して、必須科目を合わせて選択するパターンがほとんどで。
……にも、かかわらず。
私は、さっさと選択票に『生物』と書いて提出しちゃったせいで。
『化学』と書いた琴ちゃんが怒りくるっているわけで。
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