440人が本棚に入れています
本棚に追加
/81ページ
掌握せし未来の残歌
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
断末魔を上げて鎧を纏った男が地面に倒れ、一瞬遅れて全身を光の粒子の変えて消滅する。
だが誰1人、男を憐れむ者などいない。ただ、仲間の無惨な最後を自分達に重ね、残る二人の男が震えるだけ。
彼らはプレイヤーキラーの罪を犯した。楽しい時間を送るためにやって来た同志に、友に絶望と恐怖と、それによる永遠の離別を与えた大罪人。
最初は10人はいた仲間も、もはやこれだけ。勝機などあるはずもない。
最初に遭遇した時に、散り散りに逃げれば、まだ何人かは助かったのにと今更後悔する。
「ぎゃああああああああっ!! た、助け……」
また1人、仲間が光となって消えた。光の粒子に包まれてたたずむ白銀の男。
わかっていた筈だ。この男こそ、この世界「Helz.」最強のプレイヤー。
「これが……」
白銀がプレイヤーキラーに迫る。僕は君達を許さないと、涙を流して歩を進める。
「変革の……」
命乞いなど意味は無い。抵抗を諦めた男の視界で白銀が爆ぜた。
「アキ────」
最初のコメントを投稿しよう!