混ざり切らずに廻る世界

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混ざり切らずに廻る世界

野良犬のような 匂いの嗅ぎ方で 廻る世間だ。 紳士的なんて言葉は エジプトの壁画を 並んで見るように 遠い過去の美学みたいだ。 先を行く人の足を噛み 後を歩く人に砂を掛け 実力が届かない場所は 固い厚さの扉で閉める。 共存的発想は 傷の舐め合い程度で その後は個室のような 心に戻ってしまう。 危ない場所は 手を繋いでも 繋いだ手の温もりは 覚える前に 洗うように忘れてしまう。 野良犬のような 上目使いの関係で 品の無い目論見と 安いプライドが 混ざり切らずに 仕事面で廻る世間だ。 首輪はしっかりと 無くさぬように 付けながら…。
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