一匹目。 Desperate Beast

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俺は高校時代はずっと軽音部で活動していた。パートはベース。そしてバンドのリーダー。 「航貴くん、次のライブの曲目決めますよ。」 「あぁ。勝手に決めといて。」 うちの軽音部は自分たちで曲を作ってライブで披露するのだ。 「お前リーダーなんだから少しは積極的に活動しろよ。」 健太は俺のバンドでギターを弾いていた。 「じゃあ聞いてるよ。んで横から口出す。」 「有り得ない!」 そう言いながら笑うのは後輩の貴弘。ドラム担当。 「とりあえずちゃちゃっと決めておしまい。」 そう言いながら俺と他の四人は部室のテーブルを囲みながら次のライブの曲目を決めていた。 「じゃあベースソロからこの曲に流しますか。」 「いや、ここはギターソロからベースソロに移行して、でブレイクの方が…」 「この曲、マイナーコード?」 俺以外のメンバーが熱心に話をしているが、俺はベースを弾いていた。 「航貴くんは何かやりたい曲ありますか?」 「うーん…特に…ただモラトリアムは鉄板ね。」 「モラトリアム…っと。」 モラトリアムとはこのバンドで…まぁそこはいいか。話には関係ないしね。
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