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「航貴ー。今日飲み行かん?」
新緑のキャンパス。桜並木の下を歩いていると、友人、智哉に声をかけられた。
「えー?行かない。」
「何で!」
「どうせ頭数合わせだろ?」
「…何で分かった!」
顔を紅潮させる智哉に、溜め息を吐いて言った。
「前々から合コン合コン騒いでたからな。」
「頼むよー。航貴がいると女の子達が食いつくんだよ。」
「智哉だって可愛い顔してんだから自身持てよ。じゃあな。今日はバイトだから帰るぜ。携帯にかけてくんなよ?」
そう言って俺はバス停へと歩き出した。
「お待たせしました。用賀駅前経由桜新町駅前行きです。」
バスに乗り、席に座る。
「出発します。次は。大学病院入口。大学病院入口でございます。」
窓の外には綺麗な桜。今の大学に入学した時を思い出した。
「もう二年か…」
俺は、医学部二年生。現役合格が出来たのが奇跡な位の倍率だったのだ。
入学して、学生自治会に入り、軽音楽部にも入り、充実したキャンパスライフを送っている。
そして、実家が遠いので、今は一人暮らしをしている。
「せっかくだから動物飼いたいなぁ。」
その考えが後であんな事になるとは…
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