一匹目。 Desperate Beast

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「次は、渋谷、渋谷です。」 「一回ここで降りようぜ。」 健太の合図で、俺たちは渋谷駅にて降り、改札を出た。 「うっわ。いつ来ても人がいっぱいだわ。」 人の波を掻き分けながら、進んでいく。 「美味しいパスタ食べ放題の店があるんだ。航貴そこでもいい?」 健太の誘いに、俺は頷いた。 「いらっしゃいませ。二名様食べ放題ご案内でーす。」 来たのは感じのいいパスタのお店。 「ご注文お決まりになりましたらボタンでお知らせください。」 「健太最初は何から行く?」 「ペペロンチーノで。航貴は?」 「俺はカルボナーラ。じゃあ頼むよ?」 「うん。」 最初の注文をし、しばらく懐かしい話に花を咲かせていた。 「それにしても航貴が医学部に行くとはなぁ。あんだけ「俺は経済学の権威になるんだ!」とか言ってたくせして。」 「経済学に興味無くなったんだよね。それに、小さい頃の夢を叶えちゃおうかな的な?」 「的な?じゃねぇよ。」 そう言いながら笑う彼は、高校時代から変わったような気がする。 「お前変わったよなぁ。」 「何が?」 「高校時代から。」 「…あぁ。」 彼は高校時代が凄かったのだ。
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