女神の泉

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「私、泉に願掛けに行こっかな~」 「えぇ!?」 「行くのぉ?」 その言葉を聞いた取り巻きたちは 驚きと好奇心が入り混じった声をあげた。 ~満月の夜 森の中にある泉の水をコップ1杯組み上げて 翌朝の日の出と同時に飲み干すと 恋の願いが叶う~ という伝説が 少女たちの間で信じられている。 その森の泉とは 実際は郊外にある林の一角に存在する湖のことだ。 昼間はそれなりに賑わって明るい湖だが 日が落ちると 木々に囲まれているため 薄暗くて寂しい場所になる。 林の入り口から湖まで 歩いて5分程度の距離だ。 それだけの距離でも 勇気がいる行動である。 何よりも夜の湖で 『泉を守る女神』の姿を見てしまったら 災難に巻き込まれる。 という伝説がくっついているため 勇気のいる行動なのだ。
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