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「ダメダメ、駄目だよ!」
両手を横に振った。
「悪いけど、行けない」
「なんで~」
すぐにOKしてもらえると思っていただけに
むっとした口調で尋ねた。
「私はあの泉には近づかない主義だもん」
「なにそれぇ?」
「昼でも夜でも、行かないの。だからゴメンね」
「何?まさかぁ~、泉に出てくる女神が怖いとかぁ?」
「そんなんじゃないよ」
ぶんぶんと首を横に振った。
「じゃ、なんでぇ~。
いいじゃな~い。
私たち、おともだちでしょ?」
「何でも行けないの。ごめんね」
「あ!わかった!」
取り巻きの1人が、手をぽんと叩いた。
「フォルテちゃんも
カルマート君の事が好きなんでしょ?」
その言葉を聞いて、フォルテは目を丸くした。
「そうなのぉぉ!?」
泉に行こうと誘った少女は声を上げた。
「違う!違うよ~!」
フォルテはさらに手を大きく横に振った。
「そんなじゃないってば」
「そうかぁ。そういうことだったのねぇ?
いつからカルマート君に目をつけてたのぉ?
ひょっとして私の邪魔をしよう
なんて思ってないでしょうねぇ」
「ちっが~う!」
詰め寄ってくる少女に首を振った。
「全然違うから。そうじゃないから」
「じゃ、どうして理由を言わないのよぉ」
「だ~か~らぁ~!!」
「うるさいわね、あんたたち!」
やりあっている近くの席に座っている、トリルが声を荒げた。
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