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「は、速い………。この俺をもってしても追いきれん」
「最強だって言ったでしょォ? 自分で最強を名乗るのは、力を見定められない愚か者か、相応の実力を持った、自信家だけよ」
「舐めるなぁぁあ!!!!」
スヴァルスの速さがあがる。流石のアニエルも少し驚いていた。
「あら? 中々やるわねェ。でも、限界を越えたスピードが、いつまでもつかしらァ?」
しかしスヴァルスは、アニエルには目もくれず、そのアニエルを越えたスピードでシエルに向かっていった。
当然、シエルには見えない。そのシエルは、目を閉じていた。
(ミスティの極意は、抜刀にある。だったっけ。なんで刀殺術ばかり使ってたんだろ?
初めから抜刀術だけで戦えば………いや、無理だよね。一度抜いた刀は、戦闘が終わるまで仕舞わないのが得策だし。
よし。目を閉じて、神経を集中させる。……………。………来た。多分スヴァルスが向かってくる。
行くよ。トドメは、私が刺す!!!!)
シエルは、カッと目を見開いた。
「ミスティ流抜刀術、薔薇十字(ローゼン・クロス)」
「薔薇………十字。いい技ねェ」
「ば、バカな………。何故、私が見えた…………?」
「見えてなんかないよ。ただ、感じただけ」
シエルは神剣についたスヴァルスの血を払い、鞘に納める。
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