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それは、英雄会議の数日前のこと。
「今日は使い魔を召喚するんだって~」
フィアラが学園の教室で、いつもの4人グループに向かって、元気良く言った。
「そうなのか!? ならめっちゃ強いヤツを召喚するしかねーな」
サーシャがフィアラよりもさらに元気に答える。
「使い魔ぁ~? 楽しみかも~」
フェルトがのんびりとした口調で言う。
「…………そう」
そしてレイスが、無表情のまま頷いた。
「なぁなぁ、フィアはどんなの召喚するつもりだ?」
「え? 召喚する使い魔って選べるものだっけ………?」
「選べないはずだよ~?」
サーシャの質問に、困惑するフィアラとフェルト。
「…………私は、雷神」
「えっ? もしかして召喚する使い魔って選べる?」
レイスが淡々と言ったのを聞いて、さらに困惑するフィアラ。
「バカだな~、フィアは。選べるわけねぇじゃん。レイスの冗談だって。な?」
「…………私は、本気」
レイスは小さくガッツポーズをする。無表情のままで。
「あれっ? やっぱり使い魔は選べるかもしんねぇ」
ついにはサーシャまでもが困惑し始める。
レイスはその様子を見て、かすかにニヤリとした。
「…………冗談」
「騙されたッ!!」
「レイスの冗談分かりにくいよ~」
「え~? 選べないの~?」
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