イッツオーバー

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それぞれが何かを考えるようにうつむいていたが、一人の女だけは馬鹿らしそうな表情で、ポケットに「彼ら」のお情けでそのままになっていたのか煙草が入っていたのに気づき、それを取り出してふかそうとしていた。 「おい・・・、この状況をどう見る?」 口を開いたのは定年したか、もしくは定年間近か、初老の男だった。 どう考えてもこの中では一番年配といってよいだろう。 30代前半、煙草に火をつけようとしていた女はその右手を止めた。
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