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もう一人壁際に寄り添って5人から一番離れた場所に、ぼさぼさの頭を掻き毟りながら男が立っていた。
風貌から年齢が定かではないが・・・おそらくは20代後半だろう。
口元は震え気味で、ブツブツと何かを呪文のように唱えているがどうやら数字をひたすら計算しているようだ。
はたから見たとして、どうあがいたって一番危ないタイプである。
そして一番影の薄い男、30代とおぼしき風貌の持ち主は座り込んでじっと部屋をきょろきょろと見回しては考え込み、また部屋を見渡すという作業を繰り返した。
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