君の声

始まり

｢おーぃ、シュウジ、待ってくれー｣

後ろから声をかけられて振り向くと、そこには幼稚園時代からの腐れ縁、それこそ切っても切れないほどにいつも何かと同じ境遇にいる親友のユウジがいた。

背丈がすらっと高く、バスケットボールなんかがとても似合いそうな体つきの色男である。

｢ん、ユウジ、おはよう｣

いつもの、変わらない挨拶を返す。
幼稚園時代から約１０年間、この挨拶は変わらない。

｢おはようシュウジ。今日からいよいよ高校生だな、俺たちも｣

ユウジが笑いながら話しかけてくる。
言葉こそ普通そのものだが、テンションは高めらしい。
若干、声色がいつもと違っていた。

｢そうだね、僕たちもついに高校生なんだね。なんだか、まだ実感が沸かないよ｣
僕も、たぶん普通よりは高いかな？　くらいのテンションと声色で返事をする。

｢そうだな、まだ、実感ないよな、俺らつい最近まで中坊だったんだもんな｣

｢ぅん。本当にね｣
柔らかい笑みを浮かべながら、少しの、まぁ昨日までの話しをする。