始まり

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「あ、ごめんね、大丈夫?」   初対面だし、これから一緒に高校生活を送っていく事になるのだからと、僕は、出来るだけ優しい声と共に手を差し伸べた。 「あ…………」   彼女は僕の手を取り立ち上がると、聞こえるか聞こえないかギリギリの音量で、そう言って走っていってしまった。 何か間違えた対応をしてしまったのだろうか? 走りさる彼女の小さな背中を見つめて僕は、どうしたんだろう? と、思ったが声には出さなかった。 ……、なにやら隣でユウジがニヤニヤしていたからだ。
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