ミツメサマ

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ここ、某県の山深くに存在する萩苡(はぎい)村は、古くから土地環境が悪く、作物が育ちにくいために大変貧しかった。 それに追い討ちをかけるかの如く、江戸時代に入り飢饉が立て続けに起きると、 貯えが無く、近くに村や町が無かった萩苡村では、飢え死にする者が続出した。 そこで困った村人達は村の神様を創り出した。 それが ミツメサマ である。 ミツメサマが創りあげられた頃から、村は驚くほど豊かになっていった。 しかしミツメサマがどのようにして創られたのか、どのような神なのかは、一部の村人以外は知られることもなく淡々と時は過ぎ、 今では萩苡村は豊かでこそあるが、県民ですら知る人の少ない、孤立した村となっている…
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