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和樹がクラスを見渡して馴染みのない顔が溢れているのを公佑と洋平に話していると担任が入ってきた。
「お~し、みんな席に着け」
「じゃ、話しが終わったらまた、な」
担任の目に着かないように洋平は体勢を低くして自分の席に戻りながら和樹と公佑に軽く手を上げて戻った。
「え~、今日から新しい学年で新しい仲間との生活だが、今日はそこに新しい仲間が増えた」
担任がそう言うとクラスが急にざわつき始めた。
それでも和樹は別に誰が来ようが関心がなく、ボォーと外を見ていた。
「じゃ、入ってきて自己紹介をして」
「えっと、北海道から来ました、名前は…、紅 夕香、です」
始めに入ってきたのは腰まであるんじゃないかと見える長い髪を持ち、少し幼く見える顔立ちをした女の子自己紹介で 紅 夕香 (くれない ゆうか)と名乗った。
「うわぁ~、今年の転校生はかわいいなぁ~」
「あぁ…、確かにかわいいなぁ…」
喜んで和樹の肩を後ろから叩いていた公佑たが和樹のリアクションは薄く上の空だった。
(ここに関口さんがいればなぁ……)
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