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和樹はクラスにどんな女の子が居ようが関係なかった。
和樹の心の中には二年前に空港で見送った彼女の姿しかなかった。
「じゃあ、紅さんの席は…宮原の隣だ」
「はい、よろしくね」
「こちらこそ、オレは宮原洋平、洋平で良いよ」
「洋平君ね、私は夕香で呼んで」
「じゃ、もうひとり、入ってきて」
夕香が席に座るのを見ると担任は外で待っているもうひとりの転校生を呼んだ。
「お、おいっ!!和樹前っ、前見ろって!!」
「え~、なんだよ、しつこいなぁ」
外を見ていた和樹の腕を掴んで黒板の方へ和樹の目を前へと向けさせる。
少し小さめの身長
肩まで伸びた美しい黒髪
そして変わらないひかえめの雰囲気の女生徒
「えっと、関口 朋華です、よろしくお願いします」
「えっ…?」
和樹が聞き覚えのある声と名前に顔を上げた。
和樹が顔を上げた先、、そこにはイギリス留学しているはずの朋華がいた。
「関口さんっ!!」
「えっ、和樹、くん…?」
朋華の姿を見た和樹は朋華の名前を呼び立ち上がった。
その声を聞いた朋華も和樹の姿を見て驚いた声を出した。
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