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高校に入ってしばらくすると、いつからか『Mクン』との連絡が途絶えるようになる。
それはもう、『S』(アイツ)が好きだと、
アイツじゃなきゃだめだと、確信したときだった。
好きだとわかっているのに何も行動しなかった。
アイツもアタシと同じ気持ちだと思い込んでいたから。
アタシたちは連絡はメールだけで電話なんてかけたことなかった。
お互い、絶対黙ってしまうってわかってたから…。
それにメールの方がよかったんだ。
アイツはメールだと絵文字がたくさんでとても元気で、会って話すときとはまるで別人だった。
「メールの方が面と向かって話さないから、本音が出る」
なんて友達が言っていたから、アタシはアイツが何を考えてるか知りたくて、本当の気持ちを知りたくて、メールでの連絡を選んだんだ。
アタシの方はその逆だった。
メールだと、こう書いたら変に思われるかなとか、相手が傷つくかなとか格好ばっかり気にして、本音なんかでなかった。
ここでも素直じゃないアタシ……。
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