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話は変わって中学時代からの友達と夜、駅前で遊んでいた。
自転車をこいで駅から帰る。
信号待ちで自転車を止めた。
そこはアイツの家のマンションがある近くの、オレンジ色の街灯で暗い交差点。
アタシと友達は話ながら信号が青に変わるのを待っている。
アタシたちの他に高校生らしき人もいた。シルエットからすると坊主頭の子。
(あ、アイツも今坊主頭だって言ってたな…)
と、なんかその高校生の視線を感じる。
そんなことを思っていると信号が青になる。
高校生はアタシたちより先に行ってしまい、夜の闇に消えた。
アタシたちはまた自転車を走らせる。
すると友達が、
「さっきの、Sくんだったよね?ずっとCちゃん(アタシ)のこと見てたよ。」
と言ってきたのだ。
彼女はSらしき人がアタシのことを見ているのを、ずっと見ていたらしい。
アタシは視力が悪く、そこの交差点は暗かったため、シルエットしか見えなかったが、そこにいた高校生は確かにアイツと同じ坊主頭だった。
場所もアイツの家の近くだった。
けれど、そんな偶然なんて…ねぇ…。
家についたアタシは早速アイツにメールした。
『さっき家の近くの交差点にいた?』
送信
受信
『俺はその時マツキヨにいた』
『あ、そう。一緒にいた友達が見たって言ってたから』
送信
受信
『だったらキャップかぶってたと思う』
キャップ?かぶってたような気がするし、かぶってないような気もする。
人違いかな…。
翌日、友達にもう一度聞いたら、やっぱりあれはアイツだと言っていた。
マツキヨにいたなんて何でそんな嘘ついたんだろう。
坊主頭を見られるのが嫌だったとか…?
部活で無理やり坊主頭にさせられたって言ってたし。
ま、いっか…。
よく考えればその頃から、アタシたちは、すれ違いが始まっていたような気がする。
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