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てか、アキに話してるの家に居る事前提だし。普通に家にいちゃおかしいでしょ
「もし、出て行くんなら鍵閉めて、ポストに入れといて
帰り道くらい分かるだろ?」
「………うん」
暗い返事に胸が痛んだが、無視をしとく。
「それじゃ、行ってくるから」
「…行ってらっしゃい」
行ってらっしゃい。なんて、何年振りに聞いた事か…
カツカツと鳴る階段を下りながら、そんな事考える
「ねぇっ!」
俺を呼び止める声に驚いて思わず足を止め、後ろを振り返る。
「…アキ?」
一体何の用だ?
少しずつ俺に近付いて
目が合えばさっと逸らされた。
「あの、さ…何時くらいに帰って来る?」
さっきとは変わって、恥ずかしそうに聞いてきた。
「……プッ、アハハハッ」
「えっちょっ、何笑ってるの!?」
「あ、ごめんっ。
なんだか切羽詰まって聞いてくるから
何事かと思えば何時に帰って来るかって!」
「別にそんな笑う事ないじゃん!」
「そうだよな。ごめん、ごめん
あ~、7時には帰ってくるから」
「7時…」
「分かったら、大人しく部屋に戻りな」
「うん。
行ってらっしゃい」
「…行って来ます」
手を振りながら俺を見送るアキを後ろに歩き出す。
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