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星が降り注ぐ10月の寒空の下に、一人の青年がいた。
「さっみー!」
10月なのに、なんでこんな寒いんだろうなぁ
あ、酒呑んだから余計に寒いのか。
夜も遅く、開いてる店も無くて
月と星、街灯の明かりの道を、酔い醒ましの為に家まで歩いていた。
久しぶりだなぁ、この道歩くの。そーいや、ここら辺公園有ったような…
公園なんて行ってないなぁ
寄ってみるか。
そう…
この選択が、全ての始まり。
車で送ると言うのを断ったのも
近道をしてこの道を通ったのも
今日酒を呑んだ事も
アパートに住んでる事も
もしかしたら、…もしかしたら
この瞬間の為だったのかも知れない。
「なんか前より公園ちっさくなってないか?
…俺が成長したからか」
なーんて。
自分が成人した事を、改めて感じたりして。
公園は大した遊具も無くて
有るのは芝生と砂場、滑り台に偉大なるブランコだけ。
こんなんでも、昔は日が暮れるまで遅く遊んでたよな…
なんか昔にひたってたな俺。
あぁ~さみぃ!
こんな寒いと風邪ひくじゃねーか
くしゃみとか…
「くしゅん!」
そう、こんな感じに……えっ!?
何も無い公園に、しかもこんな夜中にいるのはホームレスか… 変 出 者 !
にしても、だいぶ若い声の変出者だな。
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