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「お休み」
俺がシャワーを浴びて戻ると、やっぱりアキは寝ていた。
「俺は畳の上で寝るか…」
畳に寝転がると、一瞬ひんやりしてから、すぐに俺の体温で温まる。
瞼を閉じると考えてしまう。
俺、何してんだろ…
未成年の、しかも15才なんて家に連れてきて
瞼を開けて目を動かせば視野に入る
スヤスヤと俺の布団で気持ち良さそうに寝てる子が。
俺はどうしたいんだろうか…
家出少女が可哀想で家に連れてきた?
ならそれだけだ。
深く考える必要などない。
それだけ、ただそれだけ
きっと意味なんて無い
……きっと……。
「おやすみ」
その言葉を合図に俺は寝た。
―ジジジジジッ
目覚ましの鳴る音で目を覚ました
ピッと
それを止めて起き上がった。
畳で寝たせいか、痛くはないが、体に違和感がある
アキを見るとまだスヤスヤ寝ていた。
「よく寝るなぁ、もう9時なのに」
顔を洗いに洗面所に行き俺が戻ると、アキが目を覚ました。
「ん…」
「目ぇ覚めた?
悪いけど俺仕事なんだ。
腹減ってるだろ?昨日作ったのにフタしてるから、それあっためて食べて
足りなかったら、なんか作っていいよ。あんま材料無いけど」
「うん…」
「火には気を付けてね。分かった?」
「わかった」
眠たそうに目をこすりながら返事をする様子に、大丈夫か?と思った。
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