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「っどどどどうしたの相子!」
「う、うううう後ろ!」
相子が好美の背後を指差してがくがく震えていた。
「な、なに……?」
好美は恐る恐る後ろを振り返った。
「……え」
好美は目を疑った。コンクリートの壁で固められた部屋には、複数の見たこともない機械(恐らくパソコンの類型と思われる物)が複数あり、その中央には、巨大な二メートルほどのカプセルのようなものが、沢山の電気コードにつながれて設置されていた。
そして、カプセルの中には、何かが入っていた。
「……ヒト?」
カプセルの中は透明な液体で満たされていた。そしてその中には、一人の人間が入っていた。
そこにいたのは、入院患者が手術をするときに着るような服を着た、好美達と同じくらいの年齢と思われる、170センチくらいの背丈の、栗色の髪をした少年であった。
「これ…は……」
不思議と、好美に恐怖はなかった。ただ、目の前で目を閉じている少年が生きているのか、死んでいるのかも分からなかったが、栗色の髪の毛が、妙に綺麗だなぁと感じていた。
「AN・ULTIMATE・WEAPON(最終兵器)『PEACE・MAKER』」
カプセルに貼られてある紙には、そう記されていた。
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