1章

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僕は7人兄弟の末っ子だ。 兄貴が4人に、姉貴が2人。 みんな、僕とは年が離れているから、何かって言うと絡んでくる。 でも、まさか。 僕の初任務だからって、全員揃うとは思わなかった……。 それぞれ仕事が忙しい筈なのに。 呆然としていると、一番上の兄貴が僕の頭にポンッと手を乗せて言った。 「ロット。お前は自分に自信が無いみたいだが、俺等はお前なら大丈夫だと信じてるぞ。だが、無理はするなよ」 「大兄さん……」 「ほら、朝飯をしっかり食って、体力を付けとけ」 「う、うん」 席に着くと、久しぶりに大勢での食事となった。 朝食の後も、みんな世界征服についてだとか色々アドバイスしようとしてくれた。 やがて、城に行く時間が近付いて来た。 準備が終わると、一番下の兄貴が僕の肩に手を置いて言った。 「俺が城まで送ってやるよ」 「ありがとう」 僕がお礼を言うと、兄貴は呪文を唱える。 「……転移」 次の瞬間、僕と兄貴は出発の魔方陣がある部屋に現れた。
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