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僕の後にも次々と名前を呼ばれて前にでる。
僕以外は、皆、正真正銘の優等生ばかりだ。
そろそろ終わりかな、と思った時、辺りがざわついた。
誰が呼ばれたのかと、その声に耳を傾ける。
「レオン様よ! かっこいい!」
「あれが、あのベルグ家の……」
「最年少で魔王の称号を冠したらしいぜ」
「…親の七光りじゃね~の。だってあいつは……」
そうか、レオン君が呼ばれたのか。
僕は聞こえて来た名前に納得しながら、呼ばれた人物を見る。
彼はレオン・ベルガー。
僕より年下だが、飛び級で同級生となった、ベルグ家の長男だ。
ベルグ家は僕の家…ワイル家と共に、二大家として並んでいる。
歴史は同じくらいらしいが、今は力の差は歴然としている。
何故なら、彼の父親、
現・ベルグ家当主は、あの大魔王様なのだから。
「…レオン・ベルガー!」
なかなか前に出ないレオン君が再度呼ばれる。
レオン君が前に出ると、彼にも任務が言い渡された。
「貴殿に次の任務を言い渡す。人間に支配された世界、『イザングラン』を征服されたし」
「承りました」
レオン君は恭しく敬礼した。
僕とは大違いだ。
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