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やがて、この場にいた卒業生、20名全員に任務が言い渡された。
「静粛に! 次に大魔王様からの御言葉がある!」
その声に、全員の視線が上座に向く。
そこには、厳つい顔をした、壮年の大男が立っていた。大魔王様だ。
「諸君等は学園を優秀な成績で卒業した。しかし本当の試練はこれから始まるものである…」
僕は優秀では無いと思うけど……
思わず心の中で反論してみる。
いやいや、駄目だ。
真面目に話を聞かないと。
大魔王様のお言葉なんて、滅多に聞けるものでも無いんだし。
「諸君等が出向く世界の多くは、人間が世界を支配している事だろう。確かに、人間はか弱い。だが気を引き締めて掛からなければならない」
あー、駄目だ。
こーゆー話は眠くなる。
「…つまり、油断していると、こういう目に会う」
「おわっ!?」
その声に、ハッとなって辺りを見渡すと、レオン君が宙に浮いていた。
「私の話を聞き流すとは余程余裕と見える。ならば少しハンデを付けてやろう」
大魔王様がそう言うと、レオン君の額が一瞬光った。
「うぅ…」
レオン君が苦しそうにうめく。
「これで貴様も少しは必死になるだろう」
「俺の身体に何をした!」
レオン君が怒鳴る。
凄いなぁ。
大魔王様に怒鳴れるなんて。
あ、親子だから変じゃ無いのか。
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