―第一章―

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「サタンくんと対峙して 殺されなかったのって その子が初めてかもね☆」 軽薄な物言いとは裏腹に 彼の独眼がギラついているのを 見てサタンは訝しげに 目を細めた。 「あれは私の獲物だ」 「もっちろん!君のモノを 獲った者は即抹殺☆ 俺様もまだ死にたくはからね♪」 「…そうか」 「ところでサタン様、 次の軍議はいつ開かれる のでしょうか」 一瞬二人の間に流れた 緊張が解けたのを見計らい ルインがサタンに問うた。 すると、今まで談笑していた 各隊長達も姿勢を正し、 その返答を待つ。 彼らの主はすぐに口を開き、 「今からだ」 と言い放った。 その言葉を聞き、全員の心に 動揺が走る。 更に、まるでその思考を 読んだかのように 主はとどめの一撃を加えた。 「私が不在の間、優秀な隊長達は さぞ素晴らしい軍略を練っていた ことだろう。じっくりと 聞かせてもらおうではないか」 全てを見透かすが如き鋭い視線に ルインを除く隊長達は 身の凍てつく感覚を覚える。 一人別格のイヴァルだけが 他人事のように笑い、楽しげに サタンの肩に腕を回す。 「みんながどんな妙案を 考えてきたのか楽しみだねー サタンくん☆」 「言っておくが貴様もだぞ イヴァル」 「え」 「くく、期待しているぞ」 不気味な笑みを残し 部屋を出て行く彼らの主には、 間違いなく悪の帝王たる 風格が漂っていた。
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