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「サタンくんと対峙して
殺されなかったのって
その子が初めてかもね☆」
軽薄な物言いとは裏腹に
彼の独眼がギラついているのを
見てサタンは訝しげに
目を細めた。
「あれは私の獲物だ」
「もっちろん!君のモノを
獲った者は即抹殺☆
俺様もまだ死にたくはからね♪」
「…そうか」
「ところでサタン様、
次の軍議はいつ開かれる
のでしょうか」
一瞬二人の間に流れた
緊張が解けたのを見計らい
ルインがサタンに問うた。
すると、今まで談笑していた
各隊長達も姿勢を正し、
その返答を待つ。
彼らの主はすぐに口を開き、
「今からだ」
と言い放った。
その言葉を聞き、全員の心に
動揺が走る。
更に、まるでその思考を
読んだかのように
主はとどめの一撃を加えた。
「私が不在の間、優秀な隊長達は
さぞ素晴らしい軍略を練っていた
ことだろう。じっくりと
聞かせてもらおうではないか」
全てを見透かすが如き鋭い視線に
ルインを除く隊長達は
身の凍てつく感覚を覚える。
一人別格のイヴァルだけが
他人事のように笑い、楽しげに
サタンの肩に腕を回す。
「みんながどんな妙案を
考えてきたのか楽しみだねー
サタンくん☆」
「言っておくが貴様もだぞ
イヴァル」
「え」
「くく、期待しているぞ」
不気味な笑みを残し
部屋を出て行く彼らの主には、
間違いなく悪の帝王たる
風格が漂っていた。
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