―序章―

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『お師匠さまっ、かばんの中からへんな形の杖が出てきました!』 『おや、ライト。 鞄を勝手に開けてはいけないと 教えたでしょう?』 『だって、お師匠さまのかばん、 色んなものが出てきて おもしろいんだもん! それより、この杖って どうやって使うんですか?』 『ふふ、仕方の無い子ですね。 …その杖はまだ使えません。 しかし、いつか君が困難な状況に 置かれた時には、必ず力を 貸してくれるでしょう―…』 「…様、ライト様! 朝ですよ、起きてください!」 「ん…、今のは…夢?」 「いつまで寝ぼけてるんですか? 今日は一年に一度の感謝祭! ライト様が飾り付けの仕上げを してくれないとお祭りが 始められませんよ! 支度して、早く広場に来て くださいね!」 そう言うと、彼女は慌ただしく 部屋を出て行き、自分の身支度を 整えると広場へと駆けて行った。 「ペイルは祭り好きだしなぁ… それにしても、今日は懐かしい 夢を見た…」 この時、僕は知らなかった その夢が全ての始まりの 予兆であったということを―…
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