―第一章―

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「やめろぉぉおお!!!」 ライトの身体が神々しい 光に包まれる。 その光は次第に勢いを増し、 杖の先から稲光より眩い 輝きが放たれる。 「貴様、その光は…っ!」 「ライトニング=エミッション ―!!」 光の放射により 天が一瞬白に染まる。 次にライトが目を開けると 厚い雲は晴れ、男の姿も 見えなくなっていた。 「もしかして…俺が……」 「 私を倒したという 幻想でも抱いたか?クク、甘いな」 「…ッ!」 「先程の一撃に免じて 貴様を殺すのは後に回してやる。 私を倒したくば その腕を磨くんだな。 …そうだ、ここへ辿り着くための 近道を教えてやろう。 『全世界に散らばった 7つのストーンとその使い手を 集めよ、さすれば道は開けん』」 それだけ話すと男はライトに 鏡を投げ渡し、その場から 立ち去ろうとした。 しかし、あまりにも少なすぎる 情報にライトは慌てて彼を 引き止める。 「待て!……お前は… 何者なんだ…?」 すると男は身を翻し 再び不気味な笑みを浮かべた。 「私の名はダークネス・サタン。 己の魔術でいずれ世界を 破壊せんと計画している」 「何…!?」 「さらばだ、『ゼロの書』と 『レジデンス・ワンド』に 選ばれし者。次に見える時は それの使用法くらい 理解しておくんだな」 今度こそ男は少女と共に 忽然と姿を消してしまった。 後には、未知の単語と謎の言葉 だけが残った。 「『ゼロの書』に 『レジデンス・ワンド』… それに7つのストーン… サタン、あいつは結局 何者なんだ…?」 しばしそのことで 頭を悩ませたライトだったが 傍に倒れるペイルの存在に気づき ひとまずは彼女の治療のため 一時帰宅することにしたの だった―。
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