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「ええ、胸を患いまして、そのまま・・」
「そうかね・・・・生前は元気にしていたかね?彼は」
「はい、多くの皆様に見守られながら息を引き取りました」
「そうかね・・・まだ早い気がするが・・・大往生と言えるかもしれんな」
「ええ、わたしもそう思います」
銀髪の老紳士とバーテンダーは互いに頷きながら目を細めた。
「それで君が後を引き継いだという訳か」
「はい、父とは10年ほど二人で店に出ておりまして、父が退店した後はわたしが一人で」
「そうか・・・父親からは色々学んだかね?」
銀髪の老紳士はカクテルグラスに手を掛けながらそう言い、バーテンダーを見据えた。
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