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覚えていてくれたのは嬉しいけど、ちびっ子は酷いよぅ
でも事実だから言い返せないですが。
「っうか、お前…女だったんだな」
とさらに言葉の刃が私を貫く。
「はうっ!」
私は涙を我慢しながら結城教官を見上げる。
小さい時から男の子みたいと言われ慣れているから、いまさらと言う感じだけど
やっぱりショックのはショックです。
「あ、その、悪かった」
私の無言の訴えが届いたか、結城教官は頬を指でポリポリとかき
視線を外し謝罪を言うと気まずそうに歩いて行ってしまった。
「行きましたわね」
「うん、だね」
「私達はどうしたら…」
格納庫に残された私達三人は困った表情を浮かべた。
そして私達はこのまま格納庫にいても、意味は無いと思い教室へと戻る。
すると黒板に「本日は授業無し」と書いてあった。
「終わりだって」
「そうみたいですわね」
「じゃ、帰ろっか!皆の衆」
三人向き合い言うと、私はある疑問が頭に浮かんだ。
「でも帰るってどこへ?」
確か今日からは学園の僚に入るんだけど、肝心の場所が分からない。
「あら貴女、入学案内は読んでないのかしら」
「入学案内?」
と私は鞄から入学案内を取り出しパラパラとめくる。
「えと、学園の裏側と」
僚の場所が書いてあるページを見つけ読む、そして補足情報として
チームを組んだ三人はルームメイトとして、同じ部屋で生活するとも書いてある。
「じゃ私達がルームメイト?」
「それが決まりなのですわよ」
「うんうん、さっ、張り切って行こっ!」
二人はそれが普通なの、と言わんばかりの表情でスタスタと歩いて行く。
「ルームメイト、か」
私はそんな二人の背中を見て少しだけ顔がほころぶ
小さい時から一人暮らしだったから、誰かと一緒に生活するのは不安もあるが、それ以上に楽しみだから。
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